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応用例

お茶の抗酸化作用の定量化

ホワイトティーに含まれるカテキンの抗酸化作用は、スピントラップ法と電子スピン共鳴分光計を使って測定すると、フェルラ酸の抗酸化作用をはるかに上回ります。

分子内部の弱い結合が破断するとフリーラジカルが形成され、不対電子が残ります。これらは極めて不安定な存在で、すぐにほかの化合物と反応して必要な電子を捕捉し、安定性を取り戻そうとします。フリーラジカルは正常な代謝においても形成されますが、多くは汚染や喫煙などの環境因子によって作り出されます。多量のフリーラジカルは体にダメージを与え、そうしたダメージが蓄積すると様々な加齢の影響が現れ、病気を引き起こすこともあります。

抗酸化物質は、自分の電子の一つを与えることでフリーラジカルを中性化し、フリーラジカルの破壊的影響から体を守ります。ホワイトティーは茶葉に最小限の加工を施したもので、カテキンの含有量が多いため、抗酸化作用に優れていることが知られています。茶に含まれる主なカテキンには、エピガロカテキン(EGC)、カテキン(C)、エピガロカテキンガレート(EGCG)、エピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECG)があります。

Azman et al.は最近の研究で、ホワイトティーと(天然由来では最強クラスの抗酸化物質の一つである)フェルラ酸の抗酸化作用を比較しています。フェルラ酸は植物の細胞壁に豊富に含まれ、微生物や日光のダメージから守るなど、植物の自己保存機構に重要な役割を果たしています。このため、加齢の影響を遅らせる目的でスキンケア製品やサプリメントに使われています。動物研究からは、がん抑制効果の可能性も示されています。

フリーラジカル中性化作用は、スピントラップ法と電子スピン共鳴(EPR)分光計を使って比較されました(ブルカーのEMX-Plus 10/12分光計を使用)。この技術の利点は、人体にダメージや病気を引き起こす活性酸素種を直接測定することです。また、極めて短命なラジカル中間体も検出できます。

より安定したラジカルをもとにラジカル捕捉作用を測定する従来の4つの方法を使って比較が繰り返されました。その4つとは、トロロックス等価抗酸化能(TEAC)アッセイ、酸素ラジカル吸収能(ORAC)アッセイ、2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル(DPPH)EPR、血漿の鉄還元能アッセイです。

ホワイトティーに含まれるすべてのカテキンの抗酸化能は、フェルラ酸よりはるかに強いものでした。特に効果が高かったのは、ガレート型カテキン(EGCGとECG)でした。

スピントラップEPR法で測定されたデータと、従来の方法を使った各実験のデータの間には十分な相関があり、これによりスピントラップEPR法の信頼性が確認されました。実際には、スピントラップEPR法の方が異なるカテキン間の抗酸化作用の違いを検出する能力に優れていました。

フェルラ酸にはバイオアベイラビリティの問題があるため、加齢の影響への対策としてはホワイトティーの方が有効な方法となる可能性がありますが、これについては確認が必要です。抗酸化作用が定量化されたため、ホワイトティーがスーパーフードに仲間入りするかもしれません。

参考資料

Azman NAM, et al. J. Radical Scavenging of White Tea and Its Flavonoid Constituents by

Electron Paramagnetic Resonance (EPR) Spectroscopy. Agric. Food Chem. 2014, 62, 5743−5748.

EPR製品の詳細については、ブルカー にお問い合わせください。